全国結納品組合連合会

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2025年01月01日

嫁ブリ

結納の風習と同じく日本各地、年末の風習は様々です。結納は酒肴を重んじる儀式ですが、年末にも縁起魚は欠かせません。出世魚の「鰤」は信州(中南信)では年取り魚と呼ばれ、海から遠い信州でも大変なご馳走として今でも大晦日に食されます。

富山県では、結婚した年の年末に新婦の実家が新郎の家にブリを丸ごと1本贈る「嫁ブリ」という習慣があります。富山湾で水揚げされる寒ブリは高級魚であり、縁起物とされています。出世魚のブリにちなんで、新郎の出世を願う気持ちが込められています。お返しとして半身を新婦の実家へ贈る「ブリの半身返し」という習慣もあり、新婚夫婦と両家の絆を深める富山の冬の風物詩として大切に受け継がれています。

一方、九州北部や山陰地方では、逆に新郎の実家が新婦の家に「嫁いだ新婦さんの『お嫁さんぶり』がいい」としてブリを贈る習慣があり、古くから富山県民だけでなく地域の文化や絆を象徴する存在となってきたことがわかります。

(「嫁ブリ」とやま観光ナビより)

by Arao